========================== ア ク タ acta 第7号
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1995/12/20発行
−−−−−「日本改宗のための祈りの会」−−−−−
Association
de prieres pour la conversion du Japon
「日本改宗のための祈りの会」は,1847年,レオン・ロバン神父
Leon Robin によって,フランス東部サン・クロード St-Claude 司教区のディーニャ Digna
で設立された。設立に先立って,初代日本代牧に任命されたばかりで一時帰国していたフォルカード Theodore Augustin Forcade
は,ロバンから協力と祝福を依頼されたので,会則草案と共に,祈りによる支援の重要さを説いた書簡を10月7日付で送った。続いて10月22日,同会の規約がサン・クロード司教によって承認された。
この会は当初の会員が450名ほどであったが,1850年末には1800名に達していた。さらに,1852年3月,"l'Union
franc-comtoise" 紙にその活動が紹介され,国内の"l'Univers"紙やベルギーの "le Journal de
Bruxelles"紙にも記事が掲載された。これをきっかけに各地から加入の申し込みが相次ぎ,会員は3000名を越え,ディーニャ以外の地でも黙想会や巡礼で,日本の布教が祈られることになった。
1863年3月,日本代牧ジラール
Prudence-Seraphin-Barthelemy Girard が,また11月にはヌヴェール Nevers
司教となっていたフォルカードがディーニャを訪れた。
19世紀の海外布教熱の昂揚に伴って,この祈りの会の会員数は急増し,活発な活動が行なわれた。そして,日本布教再開の道を模索していたパリー外国宣教会の宣教師たちを精神的に支えたばかりでなく,会員が信仰弘布会に加入する例が多かったので,財政的にも布教を支援することになったのである。カトリック日本再布教の一側面として,さらに詳細な研究が待たれる。
一史料として,ロバンの著した
"Manuel des associes pour la conversion de l'Empire du Japon" (Paris, 1863)
pp.253-255
に掲載されている設立時の規約の部分の試訳を行なった。お気づきの点をご教示いただきたい。
「日本改宗のための祈りの会規約」
1
ディーニャ教会に,日本帝国における信仰の復活と宣教のために祈る信心の会
が設立された。
2
同会は,同国に福音を説くために教皇から派遣された司教と宣教師の日本入国
を祈りによって支えることを目的としている。
3
年齢,性別,身分の別なくだれでも,申し込めば入会できる。姓名を届け出る
と、 会長が名簿に登録する。
4 ディーニャの主任司祭
[注:ロバン] が会長であり,入会申し込みを承認し,
名簿に登録する。
5 インドの使徒 [フランシスコ・ザヴィエル]
は,日本の最初の宣教師でもあり,
会の守護者である。会員は,日本の殉教者のメダイユを所持する。
6
会員は,日本人の改宗のために,毎日,「永遠の御父」,あるいは「主祷文」と
「アヴェ・マリア」の祈祷を,とりわけ「聖フランシスコ・ザヴィエル,私たちの
ために,そして特に日本のためにお祈りください」の祈祷を唱えることを勧める。
7
一般の盛式なノヴェナは,11月25日に始まり,聖フランシスコ・ザヴィエルの
祝日である12月3日に,全員の聖体拝領で終わる。それに,3月3日から列聖の日
である12日までのノヴェナがある。
8
会員のための特別なミサと祈りが,日本でささげられる。会長は,届け出のあ
った新会員と物故会員のリストを毎年日本へ送る。
9
毎日曜日には,晩祷の後,詩編 "Quarefremuerunt gentes" [詩編第2編「なぜ,
異邦の民は,乱れ騒ぎ」]
などを,また読誦か講話の後で,聖フランシスコ・ザ
ヴィエルの祈祷と共に,[聖歌] "Ecce dedi te" を歌うか,唱える。
10
会員は皆,信仰弘布会に加入し,新会員を獲得するよう切望する。
神の恵みと教皇の権能によってサン・クロード司教であるアントワーヌ・ジャック・ドゥ・シャモン
Antoine-Jacques de Chamon は,前述 [の恵みと権能]
により,ディーニャの主任司祭ロバンに,その教会内に,全世界のそしてとりわけ日本帝国における宣教のための祈りの会という名称の信心の会を設立することを許可する。上記の規則を承認し,
会員にそれを忠実に守ることを勧める。
サン・クロードにおいて,自署,紋章の印と司教区書記の副署をそえて。
1847年10月22日。
サイン サン・クロード司教 アントワーヌ・ジャック
書記 ジロ Girod
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